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Meister Interview 吉原 義人(Yoshihara Yoshindo )

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サーフィンフォトグラファー/U-SKE

サーフィンフォトグラファー
U-SKE

  • U-SKEプロフィール
  • ダイジェスト版(読了時間5分)
  • 記事全文(読了時間15分)

プロの仕事道具とは?


Q:サーフィンフォトグラファーが使うカメラとは? 普通のカメラと違う?

カメラそのものは違わないが、みんな海の中で撮りやすいように、カスタマイズをしている。ウォーターハウジングといって、防水性と撮影機能を確保するために改良するという意味を指すが、最初はやり方が分からなかったため、みんなプロの真似から入ってパクリまくる。自分の場合は、ハワイの知り合いのカメラマンに教えてもらって、慣れたら自分の使いたい機能、撮りたい画に合わせてカスタマイズした。

Q:先ほどの「カバー写真を狙う」とは?

自然の中のスクープを捉えるのがプロ。

単純に良い写真が雑誌の表紙を飾るから、カメラマンにとって専門誌の表紙を飾るのは一種のステータスになる。サーファーカメラマンは、スタジオじゃなく、常に自然の中で撮るから、いい写真が撮れるチャンスは保証されていない。その中で、カバーを飾るほどの写真を撮るのは、ジャーナリズム的な言い方をすると、一種のスクープになり、スクープをきっちり捉えることができるのが、プロの条件だと思う。
自分では作れない「自然」というシチュエーションが被写体であるため、リアルタイムに、“その場所”にいないと絶対に撮れないから、自分の情報網と勘を頼りにその場所に行くしかない。今日台風のうねりが四国に来る情報が入ったので、荷物積んで今夜から車で行く。海外に撮りに行く時も、お金になる保証がない中で自分の持ち出しで行くから、考えてみればギャンブルだけど、スポンサーから予算がもらえるのを待っていたら、仕事にならない。思い立ったらハワイでもタヒチでも、バリでも、その場に行って、その時、その場所でしか撮れない画を狙う。

Q:サーフィンフォトグラファーはどうやって稼いでいる?

プロサーファーのスーパーショットを撮る。

カバー写真を飾るとお金になるし、お金以上の大きな喜びがあったから、以前はそんな写真を撮りまくっていた。スポンサーありきのカバーや、コンテンツばかりが増えてしまうと、ジャーナリズムが失われてしまうので、さびしい気がするけど、カメラマンの収入のベースは、そういうところで創られている。
いい写真は雑誌や、サーフブランドが買ってくれる。頻繁にカバー写真やブランドのPRに採用されているカメラマンは知名度も上がって、スポンサーが付いて、仕事も増えてくる。だから、みんな最初は雑誌やブランドが買いやすい写真を撮る。

波がでかくて形もいい日には、そのポイントにはプロサーファーが集まる。そのタイミングに海に入って、彼らが技を決めやすいポイントで待機して、派手なリップや、チューブ、エアーを決めている写真を撮りまくる。そこで撮ったサーファーのボードやウェットスーツに、大きくロゴが入っていたりすると、サーフィンブランドもPRになるから、ぜひ買いたい!というわけ。
海外の有名なポイントで、波が当たっている日に、ケリースレーターやロブマチャドなど人気のトッププロが入ると、カメラマン達もここぞ!とばかりに集まる。トッププロは知名度だけじゃなく、技も切れているから、良いショットを撮れる可能性が高くなるからね。サーファーが波をゲットするためにポイント争いをするのと同じで、カメラマンは彼らのスーパーショットを撮るために、過酷なポイント争いをしている。

ノースショアの波と戦うのはプロの条件。


Q:やはりハワィの波が世界一?

ハワイの波は別格。特にノースショアは世界一過酷な場所で、そこでやっているから自分の限界を知っているし、ノースショア以外で、自分の限界まで感じたことはない。だから、ハワイのトップシーズンにその場にいない時点で、プロのサーフィンフォトグラファーとしては失格だと思う。サッカー専門のジャーナリストが、ワールドカップの取材や、日本代表の試合に取材に行かないのと同じで、そんなカメラマンはプロとは言えない。

Q:いい写真を撮るには、どれくらい体力がいる?

ハワイやタヒチだと、常に強いカレント(潮流)があって、足がつかない海の中で何時間も立泳ぎをして、ポジションを確保する必要があるから、相当な体力が必要。体力がなければカレントに流されてしまう。自分は身長166cm/体重55kgとかなり小柄な方だけど、サーフィンフォトグラファーは基本、ゴッツい奴が多い。ノースショアのカメラマンからは、「この画をお前が撮ったのか?」とよくびっくりされることがある。笑。 自分は体を創るために、サーフィンとヨガを取り入れている。ヨガは20代の前半にハワイでお世話になったカメラマンが、生活全般にヨガを取り入れていて、それ以降、自分もストレッチや呼吸法、体で自然を感じる感覚などを活用している。サーフィンにも撮影にも良いと思う。