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Meister Interview 緑 健児(Midori Kenji )

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新極真会代表理事/緑健児

新極真会代表理事
緑 健児

  • 緑 健児プロフィール
  • ダイジェスト版(読了時間5分)
  • 記事全文(読了時間15分)

勝つための気構えとは


Q:試合で勝つためにはどういう稽古が必要か?

選手として試合で勝つためにまず重要なのは、走り込みから腕立て・腹筋・背筋といった基礎体力をつけるための稽古。次に破壊力を増すための突きと蹴りの打ち込み。そして、ミット稽古。スタミナ稽古。その後の組手稽古など、一通りの稽古を集中してやることが重要。組手稽古は試合に出る人なら、1回の稽古で2分間×15ラウンド程度。突きだけの稽古から、突き・蹴りありの組手まで、それぞれの技を磨くために工夫して、バリエーションをつけて行う。

Q:怪我をしない体を作るためには?

突いた拳、蹴った足が壊れるようでは、
人を突いたり蹴ったりすることはできない。

脛(すね)で、思い切り相手の膝(ひざ)を蹴ってしまうこともあるし、拳と拳が思い切りぶつかることだってある。大きな大会ではそんな試合を1日で7~8試合もこなす時がある。どこを突いても、どこを蹴っても自分の体が傷つかないくらいに鍛えなければ、試合で勝つことなどできはしない。

怪我をしない体を作るためには、日ごろから堅い砂袋を突いたり、蹴ったりする稽古が必要。ビール瓶にテーピングを巻いて脛(すね)をたたく人もいれば、バットでたたいて鍛える人もいる。何度も血を流すほどの稽古をしなければ高いレベルには到達できない。そうやって、骨を鍛えるだけでなく、その上に筋肉の鎧(よろい)をつけることで、どこを突いても、蹴っても傷つかない体ができ、打たれ強さも備わってきて、大きな大会で勝ち上がれる。
重要なのは、普段の組手や稽古の中で、自分を追い込み習慣的にそういうことをやっていくこと。大会の前だけやっても大した成果は得られない。試合以外の期間もやり切ることではじめて、勝てる体になれる。

Q:全日本大会で優勝するためには、どの程度の稽古が必要か?

全日本に出場したいのであれば、1日5時間程度の稽古を週に3日以上が最低条件、それにプラスして自主トレを行う必要がある。優勝をしたいのであれば、1日7~8時間の稽古を週に6日やる必要がある。 稽古をする時に重要なことは、集中して質の濃い稽古をすること。ただ単に長時間の稽古をしてもあまり意味はない。質の濃い練習を長時間続けられるために日ごろから、自分を追い込み、一発一発に力を込めて、スピードを意識してやる。集中して稽古をする人と、流してやる人とでは、同じ時間稽古していても、3か月・半年・1年と経つうちに歴然とした差がつく。稽古中に力を抜いて流したり、できる技を出し惜しみするのでは意味がない。それともう一つ。チャンピオンになる人は指導者からの課題をこなす以外に、自分なりに工夫して自主トレを行っている。常に強くなるために受け身ではなく、自ら自分の技や戦い方を工夫・開発をしている人がトップになる。

Q:緑代表は世界大会で優勝しています。

自問自答を繰り返し、自信がつくまで、
限界まで稽古に打ち込んだ。

世界大会は身長・体重差でクラス分けをしない無差別ルール。自分の身長は165cm、体重は70kg。他の選手に比べ体が小さい分、不安も大きかった。身長・体重で自分よりもはるかに大きい相手にどう立ち向かうのか?自らこれでもか?やれることはすべてやったか?と、自問自答しながら、自信がつくまで毎日10時間以上、何度でも限界まで稽古に打ち込んだ。

空手の稽古に打ち込めたのは、ひとえに両親の支えだった。空手の指導員と現役選手を掛け持ってやっていたが、その当時、指導員の給料だけでは家族を食べさせていくことが難しく、親からの仕送りが支えになっていた。現在84歳になる父親は実家の砕石工場で、今も現役でパワーシャベルを動かしていている。両親がいなければ世界大会での優勝もなかっただろう。自分が世界大会で優勝したのは、29歳/キャリア13年目の時。その時が自らの体力の限界と判断し、指導者の道を決意した。