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Meister Interview 緑 健児(Midori Kenji )

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ホソヤエンタープライズ代表取締役社長/細谷圭二

ホソヤエンタープライズ代表取締役社長
細谷 圭二

  • 細谷 圭二プロフィール
  • ダイジェスト版(読了時間5分)
  • 記事全文(読了時間15分)

花火師の仕事とは


Q:現在、花火屋さんはどれくらいありますか?

現在、メーカーとして花火の製造・販売までを行っている花火屋は、日本国内に60~70社程度。鍵屋のようにメーカーではなく、花火を仕入れて打ち上げのみを請け負う会社なども合わせると、300社程度だと思う。

Q:花火をどこで造っていますか?

花火の製造は、法律が無かった当時はそれこそ、普通の民家や長屋のような場所で造られていた。そんな状況から、火事や爆発事故が多発して、江戸を所払い(神田より先に強制的に退去を命じられる)になる職人も多かった。
そんな職人達が、いろんな地域に出向いて、花火を造って売ったり、技術を伝授してはお金を稼ぐ、いわゆる周り職人となったことで、各地に花火の技術が広まっていった。 法施行後は、危険物取り扱いによる、周辺環境への配慮から、ほとんどが製造を地方で行っている。うちも、もともとは東京都あきる野市で製造していたが、近隣に住宅が密集してきたことから、すべて南伊豆に移転した。

Q:花火の種類について教えてください

打ち上げ技術が無かった時代には、噴出花火(今でいうドラゴンのようなもの)が主流だったが、現在は打ち上げ花火がほとんど。花火の種類は?と聞かれれば、それは無限にあると言っていい。毎年隅田川、大曲や土浦などで開催される花火競技会に出場しているが、いつも新しく発明した花火の技術を盛り込んだ作品を出している。都道府県ごとに様々な特色があり、各地域の技術や趣向を見るのが、とても刺激的だ。

Q:花火の技術評価は、どのようにして行われますか?

日本の花火競技会で高い評価を受けるのは、多重芯と呼ばれる技術。簡単に言うと円の中に、更に小さい丸が幾層にも広がる花火。三重芯、四重芯、今では最大で五重芯までだが、八重芯を作れれば花火職人として一流と呼ばれる。花火は、その職人の趣味や性格でいか様にも造ることができるが、人を感動させる花火は、やはり職人としての丁寧さや、きめ細かさ、几帳面さが重要で、それが花火のクオリティとして現れる。

うちは、昭和34年に長野県の青木儀作氏を中心に結成された、超一流の花火職人26名(細谷氏の父を含む)による、花火の最高技術集団、日本煙火芸術協会(Japan Fireworks Artists Association)の事務局を務めている。各地で行われるコンクールで優勝し、新しい創作物や独特の技術を保持している職人が集まり、最も得意とする花火を持ち寄って、各地で得意の技能玉、創作品を披露し、毎年内閣総理大臣賞を獲っている。

Q:お客さんが喜ぶのは、どんな花火ですか?

多重芯の大玉花火や、型物と呼ばれる創造的な花火が多くの人に喜ばれている。 最近では単発の打ち上げ花火だけではなく、スターマインという連続発射打ちの技術と、音楽とをシンクロさせたような、演出を効かせたものにより大きな歓声が集まる。また、都内ではなかなかできないが、新潟長岡の花火大会のように、2キロにわたって噴出するような、ワイドスケールの花火も人気が高い。

東京のような都心で行う演出には、地方にはできない工夫がある。たとえば、今年も95万人を動員した、隅田川花火大会は川面に映る花火の色や、周囲の高層ビルへの反射も計算に入れて、実際に打ち上げている2万発の花火を、4万発にも6万発にも見せることが出来る。東京湾花火大会のステージも、360度どこからでも鑑賞できる素晴らしい環境だと思う。前述の通り、うちは丸玉屋と共同で、2万発の隅田川花火大会、1.2万発の東京湾花火大会を半分づつ担当しているが、1社だけで担当している花火大会は基本の色数が限られるからため、正直なところ見ごたえに欠けると思う。競技会の加盟会社と協力して、強みを出し合い、今で言うジョイントベンチャーのような形で、イベント全体をアレンジすることが、望ましいと思う。