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Meister Interview 夜景評論家 丸々もとお/夜景フォトグラファー 丸田あつし(Motoo Marumaru/Atsushi Maruta)

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夜景評論家 丸々もとお/夜景フォトグラファー 丸田あつし

夜景評論家
丸々もとお
夜景フォトグラファー
丸田あつし

  • 丸々もとお・丸田あつしプロフィール
  • ダイジェスト版(読了時間5分)
  • 記事全文(読了時間15分)

「夜景」に熱狂し、その魅力と可能性を拡げている兄弟


今回のGrateful-Japanでは、その「夜景」を素材として、世界各国で演出家として活躍する兄と、その「夜景」を被写体とし、優美な写真を撮り続ける写真家の弟という、おそらくは世界で唯一無二の匠兄弟をご紹介する。夜景評論家/夜景プロデューサー/イルミネーションプロデューサーである兄の丸々もとお氏、そして夜景フォトグラファー/グラフィックデザイナーである弟の丸田あつし氏である。
父の仕事はグラフィックデザイナー。両親共に油絵に興じていたため、週末によく連れていかれた場所は公園よりも美術館や写生会と、幼少期からから美術的な環境で育った兄弟。時を経て「夜景」という一つのテーマで繋がり、互いの持つスキルを存分に発揮しながら、夜景の持つ魅力と可能性を拡げ、多くの人を惹きつけている。夜景に興味を持つ人で、この兄弟が手掛けてきた夜景を見たことが無い人はおそらく居ないのではないだろうか。それほど多くの実績を持つ二人の匠(兄弟)へのインタビュー。ぜひご一読いただきたい。

夜景評論家:丸々もとお氏 & 夜景フォトグラファー:丸田あつし氏インタビュー


Q:改めて「夜景評論家」の仕事について教えてください

□ 丸々もとお氏
一言で言えば、夜景を使って人を喜ばせる仕事です。独説的や自己満足などではなく、結局、人に喜んでもらって始めてこの仕事の価値が出ます。夜景を評論するのも、演出・プロデュースするのも、夜景が心から好きな自分が感じている感動を、どうやって伝えたら良いだろうか、またどう伝えたら一般の人に喜んで見てもらえるだろうか、感動や喜びを他者に依存する形で考えるわけです。出版社時代には「読者目線」として、そういったトレーニングを10年くらいしていた訳ですが、それが結果的に今やっていることに、結びついてきているのかと感じています。

夜景というのは滞在型の観光資源であって、場所を変えられないし、また夜でなければ楽しめないという絶対的な制約があるため、旅行ツアーの中で夜景を目的とした時点で、その土地に泊まることになる可能性が高い。つまり大きな経済効果を生むわけです。夜景が観光スポットになって人を呼べるようになれば、その分、その土地に居る時間が長くなり、地元の料理を楽しんだり、お土産なんかも買ってくれる。そんな形で地域の経済に貢献し、成功例を積み重ねることで、より夜景に対するニーズが高まり、人々の興味も拡がっていくことができると考えています。大切なのは、しっかりとした実績を出すこと。夜景の価値を高められるのは実績でしかなくて、意外かもしれませんがその効果は数値化できます。夜景の監修・コンサルティングが入った結果、「前年比で〇%来場者がアップ」とか。そういう結果を出していかないと次に繋がらないし、より大きなムーブメントを起こせない。成功し続けないと終わってしまうわけです。

Q:改めて「夜景フォトグラファー」の仕事について教えてください

□ 丸々もとお氏
一言で言えば、夜景を専門に撮るカメラマンです。単純すぎますが。笑僕はこの19年間、夜景を演出する兄と組んで、夜景の魅力や美しさを余すこと無く画に残すことに注力してきました。綺麗な夜景を撮るために重要なことは、 まずそのスポットの特性をしっかりと理解することです。夜景を鑑賞する人は、当然暗くなってから展望台などを訪れますが、撮影する側からすると、それでは細かい周辺状況を理解するのは難しい。そのスポットがどんな特性を持っていて、どんな画を撮れるチャンスがあるか?などの見極めができません。一度明るい時間に訪れ、様々な可能性を探るようにしています。撮影を始めるのは基本的に夕方から。夕暮れや夜明けの時間帯は、一日の中でひときわ表情豊かに風景が変化していきます。僕はここを“夜景の入口と出口”と呼んでいますが、特にこの時間帯を大切にし、その移り変わりを刻々と撮影していくといったイメージです。

Q:写真集では「夜城」や「夜行列車」など、さまざまなテーマを展開されていますね。

□丸田あつし氏
夜の城を撮り始めたのは、某航空会社さんとの連載がきっかけでした。夜景を求めて日本中を旅するという企画でしたが、その中で松江城を訪れた時、深夜に到着したためライトアップが消えてしまって真っ暗だったんです。でも静まり返った闇の中で城と対峙すると、時を超えて自分たちがその城の建てられた時代にタイムスリップしたような、まわりに忍者でも現れるのではないか(笑)?そんな感覚を味わったんです。お城は大抵、昼間は大勢の人々でにぎわっていたり、夜はライトアップされたりと、すごく観光地化されていますよね。でも光が消え人影が無くなると、こんなにも想像力をかき立てる存在なのだとその時に気づいて。「夜城」は、そんな2人の体験から生まれました。

夜光列車については、車移動だと時間がかかる九州などのロケに行く時、ちょくちょく新幹線やローカル線を使うようになった事がきっかけです。車窓に現れては消えてゆく情緒的な風景を見ているうちに、夜景と電車の組み合わせも良いなと。兄は昔から色々と物を作るのが好きで、僕も彼の鉄道のジオラマ作りを手伝ったりしていました。そんな幼少時代の記憶も甦り、“夜光列車”という企画のイメージは広がりました。静寂に満ちた駅舎、薄暗い町を走る一本の光‥。そんな心に染み入る情感に溢れた世界を想像しながら、2人ともさらにその思いが強くなり「やろう!」という感じでしたね。笑