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Meister Interview 夜景評論家 丸々もとお/夜景フォトグラファー 丸田あつし(Motoo Marumaru/Atsushi Maruta)

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夜景評論家 丸々もとお/夜景フォトグラファー 丸田あつし

夜景評論家
丸々もとお
夜景フォトグラファー
丸田あつし

  • 丸々もとお・丸田あつしプロフィール
  • ダイジェスト版(読了時間5分)
  • 記事全文(読了時間15分)

今後の展望について


Q:これからやりたいテーマとして、イメージしていることはありますか?

□ 丸田あつし氏
比較的近い未来に実現したい事として、以前に新聞の連載で行った「東海道夜景五十三次」という企画の海外版ですね。内緒ですが、もうタイトルも決めています。数千キロにおよぶ道のりを旅しながら、各地の歴史に触れ自らの感情を織り交ぜた作品作りをしたいと思っています。それとこの仕事をしていく中で、死ぬまでに実現したい事として、世界中の国々(約200カ国くらいでしょうか?)の夜景を全て撮影し、一冊にまとめた大判の作品集を出版したいです。もちろん写真展も。夜景フォトグラファーとして活動している僕にとっては、大きな実績になります。きっと“地球中の夜景を撮った”と言っても許されそうですよね。(笑)

Q:「夜景遺産」「夜景検定」「夜景サミット」など、これまでになかった取組をされています。

□ 丸々もとお氏
日本人の夜景観賞文化はある意味特殊で、日本人ほど夜景が好きな民族は世界でも類がないと思っています。雑誌で夜景の特集が組まれているなんて、海外では考えられない。「三大夜景」などとブランドを作って、旅行商品を作るというのも日本独自のものだし、そういう日本人の夜景に関する価値観は、「夜景遺産」や「夜景検定」などといったテーマに横展開することで、また価値が高まる。また日本独自の夜景の楽しみ方は海外にも輸出できると考えています。初めて海外に日本の夜景文化を伝えるイベントとして、まずは香港で「夜景サミット」をやります。
夜景評論家として、最初の10年はサラリーマンをやりながら、夜景のガイドブックや本の出版。次の10年はさまざまな観光施設や自治体と組んで、夜景をテーマにした町興しをやってきました。これからの10年はそういった実績と経験を活用して、海外展開を中心にやっていくべきと考えています。日本の夜景観賞価値や夜景の楽しみ方、インバウンドとアウトバウンド両方を実現していきたい。これまでイルミネーションのプロデュースも数多くやって来て、東京ドイツ村の例などを見ても、お金を払ってイルミネーションを見るというレジャーは日本特有のもの。海外でもシャンゼリゼとかあるけど、それをビジネスにしようという感覚はありません。日本では一つのエンターテイメントとして何年も定着し、ショーアップされたイルミネーション空間にお金を払う価値が確立出来てきている。もともと日本人が発見した青色発光ダイオードが、中国とか海外製で作られて、非常に安くて良い物が作られているけど、それを演出してお金の取れるものに変えていける演出力っていうのは、日本人の強みだと思う。だから日本から海外に輸出して成功できると考えています。

Q:経産省のやっている“クールジャパン”に近い考え方ですね。

□ 丸々もとお氏
そこは政府の支援云々とかは関係なく、独自で考えています。「国がお金を出す」ということは、必ず何らかの制約や条件が付けられてしまい、やりたい事、表現したいことが100%やり切きれなくなってしまう。その枠の中でやっていくという時点で、何となく誰かに媚びた感じがでてしまうし、エンターテイメントとしてつまらないものになってしまう。だからこそ、独自でやることが重要だと考えています。この間、飲みの席で、ある施工会社さんと知り合って、ドイツ村のようなエンターテイメントをアフリカでやろうなんて話になって(笑)、できたら面白いですよね?そういうのは国の力云々ではなくて、大使館などが興味を持ってくれれば、実現が出来る可能性があります。

プロとしての心掛け


Q:プロの「夜景評論家」「夜景フォトグラファー」として心掛けていることは?

□ 丸々もとお氏
当たり前のことのようですが、人の意見を聞くことです。多くの経験を積んで実績が出てくると、自分で勝手に「イケるな」と安易に成功イメージしてしまうことがある。つまり慢心してしまうことがあります。最後はプロデューサーである自分の発想と判断になりますが、決定までのプロセスにおいて、常にフラットに人の意見を聞くことを心掛けています。象徴的なエピソードとして、ある展望台で夜景を見ていたら、急に子供が展望台に走り込んできて、広大な夜景を見るなり「犬が見える」と言ったんです。訳わからないでしょ(笑)?実はその子供は、その展望台から見える膨大な光の粒の間にある「闇」の部分を切り取っていて、それが犬の形に見えていた。それは、その子が光を見ないで闇を見ていたということ。そうやって自分では気づけなかった夜景の隠された楽しみ方に気づくこともある。だから、常にリアルな一般の人たちの声を聞くことが重要なんです。
それと、何よりも素材である「夜景」を見る機会を可能な限り増やすということです。私にとって夜景とは強いイマジネーションを与えてくれるものなので、見ているだけで、頭の中が整理され、視野が広がります。人間は大事な事を考えたり、集中している時というのは、すごく視野が狭くなって一点しか見ていない状態に陥りやすく、その状態で物事を考え続けていても良いアイディアは生まれません。私にとって夜景を見ている状態は、自分の心と視野が広がっている状態なんです。だから日々たくさんの新しい夜景を見ることを一番に心掛けています。

□ 丸田あつし氏
撮りたい画のイメージを常に持つこと、そして風景との最初の出会いを大切にすることです。長期におよぶ撮影では、日々たくさんの景色に出会います。テーマや撮りたい画をしっかりイメージしておかないと、そのスポットで撮れる画の可能性に気づかず、逃してしまうかも知れない。最初の印象を大切にしながらイメージを膨らませます。あとは準備ですね。撮影スポットへのアクセスや日の出と日没時間はもとより、気候や天候、周囲の環境などを調べ、必要な機材・装備を用意する。当日の天気は人間の力でどうこうできるものではないですが、撮りたい画を求めるためには、そういった準備が必要です。それでも海外での撮影だと、滞在期間中ずっと天候に恵まれず、何の成果もあげられない時だってあるし、それとは逆に急に天気が回復して、劇的に空が晴れたり、空気が澄んで想像以上の画が撮れるときだってあります。しっかりとしたイメージを固め準備をした後は、あまりジタバタせずにその時々の流れまかせます。もし現地でダメな予感がする時も、なるべく気持ちをポジティブな状態に保つよう心掛ける。悪い状況でも突然、状況が好転するかもしれない!と少しの可能性を信じて粘ってみたり。笑

Q:改めて兄弟で同じ仕事をされているメリットは?

□ 丸々もとお氏
一番のメリットは自由度ですね。弟だし、しかも親父の会社に居るだけに何でも無理が利きやすい(笑)。
それと、意思の疎通がしやすいのが何にも代えがたいメリットです。お互いに幼少の頃から性格を知っているだけでなく、20年近くもいっしょに仕事をしてきている訳だから、だいたい同じものを見て考えている。あの時のあの写真、とか、あの時のあの場所とか、具体的な説明をしなくても、あ・うんの呼吸で理解が出来ている。それぞれに感じ方は違ったとしても、同じものを見ている事実があるから、深いコミュニケーションができる。これってどんな仕事をするのにも大きなメリットだと思います。

□ 丸田あつし氏
それと、お互いに違うスキルを持っていて、それを活かしていることだと思います。撮影のスキル、デザインのスキル、書くスキルと、仕事をコンサルティングするスキル、プロデュ―スのスキルとは方向が違う。でもそのふたつを融合させると何でもできてしまうので、お互いに完成形やそこに行きつくまでのプロセス・スケジュールが見えやすい事も大きなメリットだと考えています。

Q:お互いの能力を理解していて、完全に役割分担ができている訳ですね。

□ お二人
Yes!