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Meister Interview 斉藤 りえ(Rie Saito)

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作家・政治家/斉藤 りえ

作家・政治家
斉藤 りえ

  • 斉藤 りえプロフィール
  • ダイジェスト版(読了時間5分)
  • 記事全文(読了時間15分)

ここで、実際に行ったお客様との「筆談での会話」を紹介してくれた。


お客様がその時のご自身の気持ちを「辛い」と言う文字で伝えて下さいました。それを見た私が、そのメモに「―」を一本足して「幸い」という文字を造ってお渡しし、そのお客様の「辛」という気持ちは、「幸」になる途中であるのではないでしょうか。とお伝えしたところ、大変感激してくださり、ご来店時とは打って変って明るい表情になられたのです。

Q:ナンバー1の座に上り詰めることができた要因をどう振り返っていますか?

私には、たくさんの言葉を話すことはできませんが、たくさんの言葉とその意味を知ることができます。いつもたくさんの良い言葉や漢字に出会うことを意識して、その言葉や漢字を分解してみて、その意味を自分なりの言葉で解釈する努力をしました。そうすることで、その言葉や漢字の持つ意味や使い方が広がり、お客様とのコミュニケーションも広げることができたと思います。また、お客様の方からもたくさんの良い言葉を教えてくださったことで、自分の中でも「筆談」の接客がどんどん楽しくなりました。成長することが出来ているとしたら、それはお客様や周囲の皆さまのご指導のおかげです。

Q:もともとお酒は好きでしたか?

はい、好きです!(笑) でも接客をしている時は、お客様とのコミュニケーションに集中していいて、緊張もしているせいか、まったくお酒に酔いません。自分の中でお酒よりも、お客様との対話を楽しんでいるのだと思います。自宅に帰ってお酒を飲むと、すぐにほわ~っとして眠くなり、完全にスイッチが切り替わったことを実感します。笑

Q:「筆談ホステス」出版のきっかけは?

私自身も筆談での接客を楽しめるようになってきた頃、出版社の方から「本を出さないか?」とご提案をいただきました。自分自身の想いとして「耳が聴こえないことを売りにしてしまっている」様な気持ちになり、正直最初は、前向きになれませんでした。ただ、出版社の方や周囲の方からも、私自身の話を本にすることで、「同じように障害をもっている人に参考になるかもしれない。勇気を与えられるかも知れない。」とアドバイスをいただき、出版を決意しました。
本の内容は、一歳の時から自分がしてきたこと、感じたこと、努力して来たことなど、全てありのままを書きましたが、同じ障害を持っている方からも「勇気をもらった」「励みになった」「とても参考になった」「諦めかけていたけど、また頑張れる」といった、とても嬉しいメッセージをいただくことができました。私の言葉で、人の力になれたことがとても嬉しくて、感激しましたし、出版して本当に良かったと思っています。

Q:政治の世界に入ろうと思ったきっかけはどんなことですか?

耳が聴こえないことで、就職の機会が少なかったり、やる気があってもできる仕事の幅が限られていることにもどかしさを感じていました。私の場合は、たまたま周囲の理解のある方々に助けていただくことができましたが、障害者のチャンスはまだまだ少ないと感じていました。健常の方でも人によって出来ることと出来ないことがあるのと同じで、障害を持っていても得意なことを持っている方はたくさんいらっしゃいます。障害者を排除するのではなく、障害者にもできる可能性を一緒に探す社会を実現したい!という想いをずっと持っていました。ホステスをしていた時から、これは周囲に伝えていたことなので、政治家を目指すことに対して驚く方は少なかったような気がします。笑

Q:選挙活動をする中で注力したことは?

「選挙」というと、選挙カーや街頭演説のイメージが強いと思います。ただ、私自身耳が聴こえないのに、私が言葉で演説をしても、耳の聞こえない方はそれを聴くことが出来ません。私がもっとも注力したことは、有権者の方々に、“筆談が反映された名刺”を直接わたすことです。名刺の裏に「筆談」のスペースを創って、お一人お一人にメッセージを添えてお渡ししました。意外なことにこの手法をやられている方は殆どおらず、他の候補者の方たちが、街頭演説をしている中、私は多くの時間を有権者の方に名刺をお渡しするために走り回っていました。

Q:選挙期間中、この名刺を何枚配ったのですか?

選挙期間は約1週間です、その間にだいたい5,000枚配りました。お一人お一人しっかりと目をみて、握手をして、筆談を添えて配りました。私のテンションは常に高かったため、中には敬遠される方もいらっしゃいましたが、どう思われてもとにかく自分の気持ちをお伝えしよう!と決めていました。街頭で私のお話に足を止めて下さる人がいたら、その方の元へ走って行って、しっかりと挨拶して名刺をお渡しします。そうしているうちにたくさんの方が温かい言葉を掛けてくださるようになり、私自身とても勇気づけられました。