オクラ合同会社「眼鏡ノ奥山」代表
奥山 留偉(後編)

0Like&Share

Facebook

LINEで送る

楽しんで選ぶ新しいカタチ
「その場で組み立てられる眼鏡」

四代目の奧山留偉さんが代表を務める老舗「眼鏡ノ奥山」は、合成樹脂「セルロイド」フレームのオーダーメイド眼鏡を、ひとつひとつ丹念に手作業で作り出している眼鏡店だ。奥山さんへのインタビュー後編は眼鏡づくりのこだわりや、オーダーメイドを経た顧客との結びつき、そして眼鏡ノ奥山が目指す展望を聞いた。ニーズに応えようとさまざまなアイデアを練ってきた奥山さんは、これまでになかった構造の眼鏡や、全く新しい“眼鏡の選び方”まで生み出そうとしている。

奥山 留偉(前編)「技術と対話が生み出すオーダーメイド眼鏡」

奥山留偉さん インタビュー


Q:眼鏡作りで一番大事にしていることは?

ちょっと作り手のマニアックな面になってしまいますが、大事にしているのは眼鏡の“表情”ですね。機械と手作業では、作った眼鏡の“表情”が全然違います。機械で洗濯機のようにぐるぐる磨くと全体が角落ちしてだらしない印象になってしまいますが、手で磨けば角を出したいところは出して、柔らかくしたいところは柔らかくしてと、一つのフレームのなかでも表情を変えられるんです。細かい部分まで説明してもお客様に伝わるかとどうかというレベルですが、機械で磨いたものと並べてみると雰囲気が違うと言っていただけますね。せっかく誂え(あつらえ)で作るなら、見ただけで立派だと思ってもらえるものにしたいという思いが作り手にはあるんです。

もうひとつのこだわりで、毎年新アイテムとしてサイズの大きい方々に向けた眼鏡を発売していますが、時代に左右されたくないというのが一番根底にあるので「あの時代に流行ったよね」というデザインでは作らないようにしています。毎日かけるものですから、「シーズンが変わったらもういいや」というものはあまり作りたくないんですね。それよりもどの時代に使っていても違和感がないものづくりを心がけて、長く使っていただけたらと思っています。

Q:お客様の層はどのような特徴がありますか?

他の眼鏡店がどうかわからないですがリピート率は非常に高いです。ここでお話をして趣味趣向を聞いて人となりや人柄がわかったうえで眼鏡を作れるので、ロープライスのお店で「これでいいや。じゃあレンズを入れて…」と買って行くのとはコミュニケーションの量が全然違います。私たちが続けていられるのも、リピートしていただけるありがたさがすごく大きいんです。オーバーホールや調整にきたのに「やっぱりもう一本作る!」とご注文いただくようなこともあるので、やりがいを感じますよね。

それから、初めての眼鏡として買う方よりも、お使いの眼鏡に不満があって完全に“狙い撃ち”でくる方がほとんどです。自分のスタイルが決まっていてTPOで使い分けたいというデザインにこだわりのある人と、サイズがないなど生理的に困っている人のどちらかですね。子供くらいの顔の大きさの男性のために、横幅が小さくて鼻幅だけ広い変則的な眼鏡を作ったり、耳の奥行きが左右で違う方にテンプルの長さを変えて作ったりもしますので、重宝していただけます。

頭や顔の幅などのカルテは全てのお客様の分を残してあって、お電話でリピートの注文をされる遠方の方もいらっしゃいます。私たちは鼻パッド一体型の眼鏡を作っていますが、色を変えたいという要望を受けて鼻パッドだけ作り直してみましょうということもやるんです。全てを反映できるわけではありませんが、ご要望という形で「こうしたほうがもっと楽しい」という答えをいつもお客様がくださるので、私たちも学ぶことが多く、日々教えていただいたことに向かって精進しています。

Q:ウェブでも受け付けていますが、店舗での注文が多い?

ウェブと店舗で半々です。ウェブでご注文いただくのは地方の方が多く、奄美大島から北海道までお客様がいらっしゃいます。でもウェブを見てここに来たくなったという方もいて、佐賀県から来ていただいたこともあるんですよ。1本目をウェブで買った方が、遠方から上京した際にここに来られて2本目を注文されることもあります。

お客様の平均滞在時間は1時間くらいで、長い方になると2時間半とか!型や色が多いと悩んでしまうみたいですが、自分が目指したコンセプトはそこだったんです。お話していくことでどういう眼鏡が欲しいのかわかるという過程を狙っているので、「迷っていただいて問題ないですよ」とお伝えしています。

Q:今後の展望は?

自分の出自は金属なので、いま使っているセルロイドはもちろんですが、10年間学んできた金属も愛している素材です。自分が持つ技術をフルで発揮しようと思ったら、鼻パッドなどの金属パーツも変えられるし、いま使用している金属の部分に弾力をつけることもできるので、取り入れていきたいなと思っていますね。

いま開発しているものもあって、それが「分解してその場で組み立てられる眼鏡」です。オーダーから1カ月後に取りに来ていただくという形態にはまだまだ課題があって、オーダーの際にこの場で完成品を見れたらいいなという方もたくさんいらっしゃいます。ドキドキしながら待っていただいて、出来上がりを見てやっと安心されることがほとんどですので、その改善策になればと思っています。必ず実現しますので、ぜひ見ていてください!

"日本の匠に尊敬と感謝の思いを込めて" - Grateful JAPAN

フォローしてSNSで最新情報をチェック >>

Facebook

LINEで送る