株式会社FLIGHTS DJIインストラクター 
堀内 亜弥(後編)/オペレーターが思い描くドローンの可能性

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「血液の輸送や地雷の発見に使えたら」
オペレーターが思い描くドローンの可能性

ドローンを総合的に取り扱う株式会社FLIGHTS(フライト)に所属する堀内亜弥さんは、CMやテレビ番組の映像撮影や、眺望写真の撮影などで活躍するドローンオペレーター(操縦者)だ。後編では、これまでに経験してきたドローンのエピソードや、ドローンを取り巻く環境がどのように変わっていくかなど、これからの話に目を向けてもらった。まだまだ知られていないことが多いドローンについて語られたインタビュー。ご一読ください。

堀内亜弥さん インタビュー


Q:「こういう撮影が好きだ」とか「印象に残っている」撮影は?

CMの撮影は楽しいなと思います。他のカメラマンや演者、その作品に関わる人々が色々な会社から集まって、最後のロケまでずっと一緒にいてひとつの作品を作りあげていくのが好きです。あと、CMだとある程度ドローンはここで使いますということが決まっているので、そこで飛ばすための練習がちゃんとできるのもやりやすいですね。

Q:これまでで一番難しい依頼というとどんなものを覚えていますか?

企業からの依頼で、大きな画面で駅伝をずっと流したいということで、ドローンでランナーを追いかけるという撮影がありました。ドローンがいけるとこまで追っては戻って撮影するという繰り返しです。リハーサルなしでルートもよくわかっていないなかで、生中継のスイッチャーさんから「ドローンそっちじゃない、右だよ!」といった指示をもらいながらだったので難しかったですね。その後、イベントで上空に飛ばすには規制ができたので、今ではそういった撮影ができなくなっています。かなり広範囲にわたって許可を取らないといけなくなるんです。

あとは沖縄の離島にかかる長い橋の上で、全くドローンが見えていないなかで3キロくらい飛ばしたことがありますが、この時はすごく風が強いなかで撮るカットがあったので難しかったです。3キロ離れると映像が乱れて見えなくなってしまって、飛んでいるのか落ちてしまったのかもわからない状態でした。

Q:いままでに珍しい依頼はありましたか?

ドローンに人形のような装飾をして、「ドローンっぽくない感じにして」と言われたことがあります。ドローンに犬みたいな被り物をさせてイベントで使いたいというお話でした。ラジコンショップでそういうものを作っている方に相談してみたら作れるという回答がきたので、「これくらいの費用がかかりますよ」とお伝えはしましたが、その時は予算感が合わなかったようで実現しませんでした。

私たちが新しいやり方を取り入れる時には、安全に飛ばせるように実証実験をしています。FLIGHTSでは360度のVRのドローン撮影もやっていますが、それも最初はいろいろな実証実験を行って、このカメラならちゃんと接続できるとか何度も実験をしてるんです。

Q:撮影について参考にしているものはありますか?

海外の方が撮った映像を動画サイトで見ていることは多いです。「こういう撮り方があるんだ」といった発見があって、練習に行った時に真似したり、その人がやっているカット割りで同じように撮ってみたりしています。そういったちょっとした動画でも自分で編集をしてみると、このカットのあとにもう少し秒数があったほうがいいなとかわかるようになるので、勉強しておいてよかったなと思えますね。

Q:堀内さんがこの場面ならドローンを活かせると思う展望や予想は?

難しいですね…というのも、思いつくようなところではすでに使われていることが多いんです。役に立てそうなアイデアといえば、発展途上国でドローンに輸血用の血液を積んで配達したり、地雷を発見するのにドローンを使ったりするような、そういう分野で使っていけたら面白いだろうなと思います。アメリカではすでにピザの宅配にも使われているようですが、日本はまた法律が違うのでまだまだ許可が下りないのではないでしょうか。

Q:ドローンオペレーターの世界は女性よりも男性のほうが多いのでしょうか?

昔からすごくラジコンがお好きだった方とか、断然男性の方が多いですね。FLIGHTSでも女性オペレーターは私しかいません。地方の案件を依頼している外部の方はいろいろな世代がいらっしゃいますが、業界全体だとボリュームゾーンは高めの年代ですね。ドローンを始めようとすると初期費用がかかりますし、いいものを買おうとしたら機体も高くて、こまごましたものも買っていくとけっこうな金額になってしまうので若いうちに始めるのはハードルが高いのかもしれません。ですからラジコンをやっていてドローンの価格帯を理解している人が買ったり、裕福な方が趣味で買ってそのまま仕事になっていたりすることもあります。そんな状況ですが、今後は若い人にも入ってきて欲しいですね。例えば小学生くらいの子供なら仕事にはできなくても教えたらすぐにうまく操縦できるでしょうし、若いほど覚えが早いと思いますよ。

Q:堀内さんが始めてからの3年でドローン自体の性能はどう変わりましたか?

すごく性能がよくなっていて、エラーがあまり出なくなりました。私自身はエラーで大きなトラブルに当たったことがないのですが、以前は時々耳にした「エラーでドローンが落ちた」という話が最近はないんです。それから、以前に比べて動作も安定するようになりました。センサーがよくなって、風に流されずにぴたっと止まらせられるようになったのも大きく改善したポイントです。

Q:すごいなと思うドローンの機能や、逆にこんな機能があったらいいなと期待することはありますか?

ドローンは「被写体を中心に半径何メートルで秒速何メートルで旋回する」というのもボタン一つでやってくれたり、自動航行しながら動いているものを追跡してくれたり、色々なことが自動でできます。他にも「マップ上でこのルートを秒速何メートルで飛んで、カメラはこういう動きをする」と事前に入力すればその通りに動いてくれるという機能もあります。ただそれほど精度がいいわけではなくて、とっさにクライアントからこういう動きをして欲しいと要望を受けた時に対応できないので私は手動で飛ばしていますが、すごいですよね。

あったらいいなと思うのは、一回練習で動きを教えれば、本番で完コピして同じ動きをしてくれる機能ですね。実際はシビアな細かい動きを求められるのでどこまで制御できるかわからないですが、ある程度やってくれたらいいなと思います。あまり発達すると人がいらなくなってしまいますけど(笑)。

Q:今後の展望をお聞かせください

やっぱり東京オリンピックは撮りたいです。ドローン業界には飛ばす技術よりも映像の知識や経験をもった人材がまだまだ足りないので、FLIGHTSとしてもオペレーターを採用・育成する活動に取り組んでいます。そこで私と同世代のオペレーターが育って、同じチームでオリンピックを撮れたらいいなと思っています。ご興味ある方はご連絡ください!

"日本の匠に尊敬と感謝の思いを込めて" - Grateful JAPAN

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