Office Fujiyo 代表取締役
中西ふじよ/障がい者自身が「将来を切り開ける」就労支援

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障がい者自身が「将来を切り開いて欲しい」
“ものづくり”が仕事になる体制の確立目指す

社会貢献にもつながる便利な掃除グッズ「アカパックン」を生産する「恵川商事株式会社」の安藤孝平社長と協力し、社会貢献の輪をさらに広げようと尽力する女性がいる。障がい者の就労支援活動に取り組む「Office Fujiyo」代表の中西ふじよさんだ。

中西さんは中学校の体育教師として働くうちに、障がいをもつ生徒たちが将来働ける環境の少なさを知ったことから、教員という立場ではなく、“仕事を創り出す”活動をスタートした。そのなかで出会ったのが、障がい者が働く「授産施設」に依頼してアカパックンで生産している恵川商事だった。中西さんの働きかけにより、特別支援学校でアカパックン生産の作業を学び、それを生徒たちの将来の仕事にしてもらおうという取り組みが動き出している。

中西ふじよさんへのインタビューは、障がい者の就労をサポートする活動をスタートしたきっかけや、恵川商事との協力で目指す、障がい者に安定した収入を創り出す取り組みについて展望を聞きました。

中西 ふじよさん インタビュー


Q:障がい者福祉の活動を始めることになったきっかけは?

私はもともと愛知県豊田市の中学校で体育の教員をしていて、障がい者福祉の問題点について考え始めたのは、学年主任や、学校全体の生徒指導をする立場になった時でした。障がいをもつ生徒たちの多くが、中学校を卒業して特別支援学校の高等部に進んだとしても、“その先”がないということを知りました。過去に自分が教えた生徒たちにも、仕事に就けず自宅でずっと暮らしている人たちがいました。その状況を改善するため、障がい者のためにできることを見つけようと思ったのが現在の活動を始めたきっかけです。

教員を辞めてからは、障がい者に関する講演を行ったり、障がいをもっている子たちのための体操、水泳、ダンス教室を運営したりしてきました。また障がい者がいるかどうかに関係なく、家庭の問題を抱えるさまざまな方たちの相談をお受けする活動もしています。

恵川商事は障がい者と健常者が同じ職場で働ける環境づくり目指していて、そのアドバイザーとしてお手伝いさせてもらったことから安藤社長と出会いました。それがきっかけで、私が取り組んでいる「LOVE TOYOTA」という活動とのコラボレーションでアカパックンを作ってもらうことになったんです。

Q:「LOVE TOYOTA」とはどのような活動でしょうか?

障がい者福祉を充実させるための取り組みです。障がい者の就労をサポートすることをはじめ、アカパックンの生産など仕事を覚え働いてもらえる仕組みを作り出すための活動をしています。数十万人が集まる「とよた産業フェスタ」をはじめさまざまなイベントに出展して、障がい者を取り巻く環境を知ってもらったり、チャリティーとして障がい者の方々が作ったアカパックンや缶バッジを販売したりしています。

就労している障がい者のなかには、継続型就労支援事業所(以下、事業所)で働いている方々が多くいます。しかも、年収の保証があるA型事業所は会社としても持続することが難しいのが現状で、最低賃金の保証されていないB型事業所で働くことが大半です。B型ですと、1カ月働いても月に1回お昼に外食するだけでお手当を使ってしまう、というケースもあります。LOVE TOYOTAを応援してくださるお母さんたちには、そういったお子様をお持ちの方が多いので、なんとかがんばって働いた分を還元できるような仕組みを作りたいと考えています。

Q:アカパックンをどのように障がい者の就労に活用することを計画していますか?

2017年度にはじまった取り組みで、豊田の特別支援学校がアカパックンの内職を自立活動の授業に導入してくれています。内職とはいえ労働なので、お金も支払っていますし、失敗したら損をするということや、作ったものをバザーに出して、大きな声で「僕たちが作ったアカパックンです!」と呼び込むなど販売経験を積んでもらっています。

そのような環境が作れたので、次の段階として支援学校でアカパックンが作れるようになった子たちの就労にも繋がる場として「パックンサポートスクール」という事業を展開していきたいと考えています。目指しているのは、障がいを持った人たちが働くことができて、地域の人たちが集まってくるような空間です。自活の授業で覚えた子たちにとっては、「就職できる場所がある」と思えるだけで気持ちが違ってきます。

アカパックンを作りながら、販売もやってもらえれば、自分の作ったものが売れることが励みになると思います。というのも、ハンディキャップのある子は、なかなか「ありがとう」と言ってもらえる機会がないんです。商品をお渡しするとお礼を言ってもらえるから、それだけで気持ちが豊かになる。内職で車の部品を作ってもユーザーの元に届く瞬間を見ることができませんが、アカパックンは形になって販売できるからやりがい、生きがいになっていくと考えています。

 

Q:これから展開していく事業の展望を教えてください。

子供が作ったアカパックンを親が家族や友人に販売できるようにして、3カ月に1つのペースで新品を使ってもらえるシステムを作りたいと考えています。その売上が事業所を通さず子供に入ると思えば、定期的に売上をたてられるようになり安心です。子供の将来の生活費を心配している親にも目標が生まれてくると思っています。

こうした仕組みを作るうえでは、「障がいをもっている人が作っているから買ってもらえる」という商品ではなく、クオリティが高く実用的なものでないと、継続的に販売していくことはできません。その点でアカパックンは最適なアイテムだと思っています。

障がい者年金をもらっている人でも、その金額は20歳過ぎで多くて9万円程度です。介護施設に入ったら、手元には残りません。余暇でどこかへ行こうとなれば、家族がその分を負担することになります。私たちとしては、アカパックンの作業によって月々数万円を得られるような体制を作っていきたい。平均でいえば数千円ですから、数万円稼げればかなりのお金です。作業を通して子供自身が将来を切り開いて欲しいと思っています。

LOVE TOYOTAは日本中に広めたいと思っています。そのためには自分と同じような想いで活動してくれる方々も育成していかなくてはいけません。豊田、岡崎以外にも自活授業に取り入れてもらえる地域があれば、その地域のお母さんたちがアカパックンの作り方を教えられるようにすることで各地にパックンサポートスクールを作ることも可能になっていきます。こうした活動を「LOVE ○○」として全国各地に広げていきたいと考えています。

<記者:平澤 尚威>

"日本の匠に尊敬と感謝の思いを込めて" - Grateful JAPAN

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